ブランド対談 #08

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ブランド対談 #08

トレンドのネクストステージを探る interview

―――「ファッションの人達はサイクルをうまく捉えている」ということですが、「ファッションの人達」というのは、具体的にファッションデザイナーを指すのでしょうか。
十三氏: デザイナーであったりマーチャンダイザーであったり。業界全体的にということです。


 


 

―――商業施設において売り上げが伸びず撤退するファッションブランド企業というのは、トレンドのサイクルを捉えているにもかかわらず、なぜ弾かれてしまうのでしょうか。
十三氏: 自分が狙っているターゲットがしっかり明確になっていたかどうかということと、そのターゲットに合った商品をどれだけきちんとバイイングできていたかということですね。ただ(商業施設は)ものづくりをしないだけに、自分たちがこう思ってこんなものが欲しいと思っても、アパレルがそれを作っていなかったらバイイングできませんから。

 


 

―――商業施設側はテナントを導入する前に自社のターゲティングを決め、それに合うアパレルブランドを選別された上かと思いますが、それでも売れないテナントが発生するというのは、商業施設側のターゲティングが明確でなかったということでしょうか。それとも流行のテイストが変わった結果なのでしょうか。商業施設側と企業側の戦略がうまくいかない原因はどこにあるのでしょうか。
十三氏: 自分たちが狙うターゲットは従来から変わらないのでしょうけれど、そのターゲットが今シーズンこれを求めているだろうという仮説が間違っていたら売れないですね。ファッションというのは今日と明日で消費者の気分が変われば変わってしまうんです。昨日いいなと思っても今日はもう要らないという非常に気まぐれで、これはこのファッション業界の特徴的なことなんですね。なのでそこがずれてきてしまったらターゲティングは間違っていなくても、お客様に必要なものを提供できなくなるということです。

陶山氏: アパレル企業は軌道修正しようとしてもできないのですか?

十三氏: それはもう難しい。できないですね。

 


 

―――アパレル企業は流行のサイクルに合わせて商品のテイストを都度変えていかれるかと思います。自分の世界感を持つデザイナーさんはどちらかというとアーティスティックなイメージですが、アパレル企業の方針に合わせて、自身の世界感を変えなければいけなくなりますね。
十三氏: それは当然ですね。まずクリエイターとデザイナーは違います。クリエーターというのは自分の世界感でデザインする人ですね。エスモードではまず基本的に、自分の世界感を出せるクリエーターを育てて行きたいと考えています。

デザイナーというのは、それぞれの企業が持つブランドのデザイナーになるわけです。そのブランドには必ずターゲット・テイスト・グレードがありますし、それを踏まえた上で自分の技術をどう活かすかですから、デザイナーは売れるものを創らないといけないという宿命がありますね。

 


 

―――そこで自分の世界感を持つように教えられたことと、企業とブランドの方針に合わせるということのズレをどう指導されていますか?
陶山氏: どううまく調整してバランスをとるのか、あるいはフラストレーションをどう解消するのかというと?

十三氏: 自分の世界感には自分の好みというのがありますから、それはディテールで活かしていけばいいのです。ボタンひとつにしてもそれぞれに選び方が違うでしょうから、そこで自分の感覚や感性を活かす。クリエーターとしての仕事をしたいか、デザイナーに徹したいか、やはり大きく違いますから、そこは企業に入る前に線引きされますね。

 


 

―――どちらに向いているかは生徒が自分で決めるのでしょうか?
十三氏: 向いているか向いていないかというよりも、どちらで仕事をしたいかです。クリエーターになりたいからギャルソンやイッセイに行きたいという生徒もいれば、自分のブランドを立ち上げたいと起業する生徒もいます。

マーケティングブランドを持つ、ワールドさんや樫山さんなど総合アパレル企業に就職する場合は、デザイナーに徹しなければならないですね。その企業にはコンセプトがあって、各ブランドにもコンセプトがあって、ターゲットもマーケットのポジションもすでにあると。その決められた規制の中で、自分のクリエイション、デザイン力・技術をどれだけ活かせるかという、この面白さを展開できる人だけがデザイナーとして成功できると思います。


 

 

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