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2017年9月 大阪・六甲東阪合同合宿の報告
2017年9月1~2日の二日間、ブランド戦略経営研究所では東阪合同合宿を大阪/神戸にて開催しました。テーマは下記の4点と盛りだくさん。年に一度の合宿ですが、今年も好天にも恵まれ、日常を超えたイベントとなりました。素晴らしい時間と議論を共有することができ、多くの参加者が次のステップにつながる何かを得ることができたと思います。
1)Dallmayrのブランド戦略-旗艦店での体験を踏まえて
株式会社AMADEUS 藤田専務取締役
2)なぜ今「カカオ革命」なのか-価値共創のマーケティング3.0を実践する
DariK株式会社 吉野社長
3)激変する世界とグローバル・マーケティング
明治大学 大石教授
4)アマゾン帝国主義と闘うリアル小売業-健康・機能を超えたfanマーケティングの実現
株式会社エムディー・ソリューションズ 大橋社長
<第1講>
当研究所の会員でもある株式会社amadeus藤田専務のご厚意で大阪中之島ダイビルのダルマイヤー旗艦店を訪問。本社ミュンヘン、ドバイ、大阪の3店しか展開していない直営店と珈琲・紅茶の総代理店として、300年の歴史の上に、変わらないもの、変えるものを選択しながら日本でのブランディングを図っておられます。
ダルマイヤー最高峰Grand Cruをはじめとした珈琲、紅茶を楽しみながら、本場ミュンヘンでのブランディング、日本での店舗でのアカデミー開催、日独交流企画などマーケティング展開について伺いました。 偶然立ち寄られたドイツから旅行中のカールハインツ ミューラー教授からも冒頭の挨拶とドイツにおけるブランディングについてのお話も伺うことができ有意義な午後を過ごしました。
<第2講>
場所を六甲山上に代え、チェックインもそこそこに、当研究所の会員でもあるDari K株式会社 吉野社長から、「なぜ今『カカオ革命』なのか?価値共創のマーケティング3.0を実践する」のプレゼンテーション。
インドネシアのカカオづくりから関わり、日本でのチョコレート製造販売を行うに至ったのはなぜか? 国際金融市場を相手にトレーダーとして飛び回ることから一転バックパッカーとして世界を放浪、インドネシアのカカオに気づいて真っ先に現地へ。
行って気付いたことはカカオの品質向上と関係のないフェアトレードの世界。産地の自立のために市場をつくろうと品質向上の研究と日本での製造販売の試行錯誤。そこかしこに膠着している常識と闘いながらDariKのチョコレートは評価されブランドを確立している最中。
またその紹介されたテレビを見て飛び込んできたのが、UCLAを経て大手商社で鉄鋼を扱っていたU女史。生産-消費を同時に扱える魅力に売込んで来たと言うから吉野社長とU女史への質疑応答と議論はとまりません。 深夜まで延々と議論が続きました。
<第3講>
翌朝は、グローバルマーケティングの第一人者、当研究所の顧問でもある明治大学の大石教授より「激変する世界とグローバルマーケティング」のプレゼンテーション。
環境問題、南北問題、貧富拡大の中でイノベーションによる解決方法があるが、日本ではイノベーションが一面な「技術革新」でしかなく、もっとビジネスモデルの革新と企業としての意思が必要である、激変世界に対応した日本人による事例が紹介されました。
大石顧問も驚いていましたが、昨晩のDariKの問題意識との共通点も多く、CSR、CVSをはじめ社会課題をテーマとしたマーケティング・ブランディングを深堀することができました。
<第4講>
最後は当研究所理事、エム・ディーソリューションズ代表である大橋氏より「アマゾン帝国主義と闘うリアル小売業-健康・機能を超えたfanマーケティングの実現」と題して、昨今の米国小売業の状況と訪米中におきたWHOLEFOODSの買収のインパクト、ネット販売の枠組みの拡大に抗する企業の特徴を紹介。
品揃え、価格、利便性のすべてを手中に収めても、リアル小売業の持つ強みであるお客様との関係性がある。健康軸や機能性は売れているが、商品だけではネット販売に勝てない。食品分野でも外食化・デリ化が劇的に進化しており、お客様と繋がり、楽しくさせる取り組みが小売もメーカーも必要ではないか?と言う問題提起がありました。
2017/09/04 |