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2025年 新年のご挨拶
新年おめでとうございます。
会員社をはじめとする皆様におかれましては、健やかに新春を迎えられたこととお慶び申し上げます。また、日頃から温かいご支援とご協力を賜り、心よりお礼申し上げます。
日本漢字能力検定協会が京都の清水寺で発表した2024年の「今年の漢字」で3位に入った「翔」。「50-50」の達成をはじめMLBでの大谷翔平選手や山本由伸投手などの活躍は記憶に新しいところです。新年早々には男子ゴルフアメリカツアーの今季開幕戦「ザ・セントリー」で松山英樹選手の優勝、「第82回ゴールデングローブ賞」での「SHOGUN 将軍」の主演・プロデュースを務めた真田広之氏が「第76回エミー賞」に続きテレビドラマ部門の主演男優賞の受賞など日本人の海外での活躍には日本中の国民が勇気づけられ、国際的な評価もますます高まることが予想されます。
日本や大阪・関西の現在、未来の姿をグローバルに「売り込む」機会になる大阪・関西万博(「2025年日本国際博覧会」)が4月13日から184日間の会期、大阪 夢洲(ゆめしま)で開催されます。テーマは「いのち輝く未来社会のデザイン:Designing Future Society for Our Lives」です。サブテーマは、Saving Lives(いのちを救う) 、Empowering Lives(いのちに力を与える)、Connecting Lives(いのちをつなぐ)、コンセプトは“People’s Living Lab –未来社会の実験場”で、「共創」(co-create)、オンラインプラットフォーム、新たなアイデアの創造・発信というキーワードがその目的をあらわしています。
小山 薫堂氏がプロデュースするEARTH MARTも84棟あるパビリオンの1つです。「地球環境や飢餓問題と向き合いながら日本人が育んできた食文化の可能性とテクノロジーによる食の最先端を提示しより良き未来へと導く『新しい食べ方』を来場者と共に考えます。」という趣旨から、地球の食の未来をより良くするため、日本発の食文化やアイデアを共有するための、米粉、餅、椎茸、大根、しょうゆ・みそ、抹茶、山椒など「EARTH FOODS 25」を使い、料理を通して未来へ向かう新しい価値を提案するということです。(以上、大阪・関西万博ホームページ)
この大阪・関西万博でパビリオンと並んで来場者向けの飲食・物販・サービスなども万博体験を彩る重要な役割を果たします。営業店舗の出店にあたっての選考基準は、①営業提案内容(2025年大阪関西万博のテーマや会場内営業施設のコンセプトを理解した上での提案がなされているかなど)、②運営遂行能力(博覧会開催期間中において業務を確実に遂行できる体制など)、③SDGs、持続可能性、ユニバーサルサービスへの取り組み(SDGs達成に向けたフードロスや資材循環、環境、健康等に関する持続可能な取組みについて具体的な提案がされているか。)、④危機管理体制(安全管理や食品衛生など)、などがあります。社会貢献につながる博覧会ならではのワクワク、ハラハラ、ドキドキといったスペシャルな飲食をはじめとする体験が期待されているのです。
“未来社会の実験場”である万博の営業店舗に求められる選考条件をすべて満たすのは現実的には難しいとしても、現在直面しているサステイナブル社会、オン・オフ両面でのグローバルな規模での相互交流と価値共創社会の今日にふさわしいビジネスのあり方が模索されています。それは「欲望の資本主義」(NHK)のもとでの“成長をめぐる迷宮”から抜け出す方途を探る試みであり、「ブランド戦略経営」に求められているものです。
本年、一般社団法人ブランド戦略経営研究所(BSMI)は14年目、前身のブランド戦略研究会を含めると24年目を迎える事ができました。
当研究所は、昨年5月の理事会・総会で第14期(2024年度)の年間事業テーマを「“Marketing 6.0”時代の再生とサステナビリティを可能にするブランド・イノベーションとは何か」と定め、ブランド・イノベーションにつながる「ブランド戦略経営」のロードマップとソリューションメニューを描くことを課題として掲げました。7月18日には大阪第9回フォーラム・公開セミナーを「ファミリービジネス、イノベーションとブランド戦略経営-『大阪王将の「超える」経営』からの示唆」、10月10日には東京第24回フォーラム&第10回丸の内ゼミナール「今日の消費とブランド・イノベーション」というテーマでそれぞれ開催いたしました。
部会研究会としては、東京/大阪合同専門部会を4月(「ブランド・エクイティと消費者の否定的反応: ブランドの学術的理解と研究イメージ」)、5月(「戦略ごっこ:マーケティング以前の問題[入門編]」)、6月(「スーパーマーケット業界の現状の課題、その解決に向けて」)、10月(「企業の成長と社会の発展-企業価値創造-企業が育てる社会を発展させる人財育成-」、12月(「ステークホルダーを魅了する!企業のコーポレートコミュニケーション戦略の心得とは」と5回開催しました。本年は1月~3月に3回開催いたします。
専門部会についてはインターナルブランディング部会、知的財産部会に加えて昨年、消費部会を立ち上げ、さらに本年はD2C部会を予定しております。
大阪事務局の企画運営により2024年9月6~7日、堺にて20名程が参加して合宿研究会を「地場産業とブランド戦略経営」というテーマで開催しました。文化二年(1805年)の創業から世界でも有数の切れ味を誇る伝統工芸品・打刃物を製作する株式会社和泉利器製作所・「堺刀司」様、同じく堺のまちで育まれた伝統技法・注染を生かしたモノづくり・ブランドづくりを進める株式会社ナカニ様、当所会員でもあり、堺の地場産業や伝統文化、ブランドを支える問屋として新たな事業に取り組む株式会社ハヤシ様を訪問しました。研究会では株式会社情報工房の橋本様、伊藤ハム米久ホールディングス株式会社の塙平様、ハウス食品グループ本社の濱野様からの話題提供によるワークショップを行いました。仁徳天皇陵古墳やさかい利晶の杜での茶の湯体験など堺の文化や伝統、食に浸りながら親睦と交流を図ることができた二日間でした。
他には一般社団法人 日本知的財産協会、D2Cエキスパート協会、日本マーケティング学会地域創生マーケティング研究会、JR西日本などとの提携も進めてきました。
本年も当研究所設立の原点に立ち返り、会員にさらに一層寄り添い、そのご期待やご要望に応えていくことをミッションにしながら、「ブランド戦略経営」に関する調査研究・教育研修・普及活動の拡充と事務局体制の再構築を通じた今後の持続的な発展を会員の皆様とともに進めてまいります。
年頭にあたって会員社をはじめ多くの皆様の今後益々のご清栄とご発展を心よりお祈りいたします。本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。
2025年 新春
一般社団法人 ブランド戦略経営研究所 理事長
関西大学名誉教授 陶山 計介
2025/01/08 |