定例研究会開催レポート

HOME» 定例研究会開催レポート »【開催レポート】2020年10月度 東京第17回フォーラム

定例研究会開催レポート

【開催レポート】2020年10月度 東京第17回フォーラム

“クールジャパンブランド”としての日本の伝統・文化の戦略課題

「一般社団法人 ブランド戦略研究所」では、毎年恒例になっている東京第17回フォーラムを、2020年10月20日(火)に開催いたしました。テーマは「“クールジャパンブランド”としての日本の伝統・文化の戦略課題」です。

現在、わが国を含む世界が直面している最大の人類的危機・新型コロナ感染症(COVID-19)のパンデミックは、経済・社会、文化、生活など既存の安全・安心の秩序やシステムに壊滅的とも言えるダメージを与えています。この中で、特に事業承継や国際競争力などの面でこれまで“弱い環”としてその保護・継承が求められてきた日本の伝統文化・行事・産業はそのしわ寄せを大きく被っています。

“ジャパンブランド”として輝きや付加価値をこれに与えながら再構築し、さらに海外展開させていくためには何が必要でしょうか。日本古来の伝統系ブランドがもつ強みと弱み、問題点や課題をどのように考えたら良いのでしょうか。今回の東京第17回フォーラムでは、このような現状認識をふまえて、伝統文化・産業の分野で精力的に活躍しておられる三名の講師の方々からお話を伺い、パネスディスカッションを通じて上記の問いかけについて議論を深めました。

冒頭陶山理事長から解題提起、つづいて鈴木講師、木原講師、そしてクールジャパン機構講師よりご講演いただき、その後4名でのパネルディスカッションを行いました。

主催者開会の挨拶・オープニングスピーチ

一般社団法人 ブランド戦略経営研究所 理事長 陶山 計介

高木克典当研究所事務局長(マックス・コム株式会社代表取締役)の司会のもと、当研究所の陶山理事長より東京第17回フォーラム開催のご挨拶及び当研究所の趣旨・事業概要、本フォーラムのテーマ&トピックスについて説明がなされました。

陶山理事長:当研究所は「経営-マーケティング-知財の三位一体化」を目指したシンクタンクであり、設立から今年で17年目を迎えています。

現在のWITH コロナ時代、IoT、ビッグデータ、AI、ロボットなどに象徴されるSociety 5.0=超スマート社会やビジネスイノベーションへの期待が高まりつつあります。このような中で「“クールジャパンブランド”として日本の伝統・文化を再生・復興させるための戦略」にはどのような課題があるでしょうか。

日本の伝統工芸品は、「伝統的工芸品産業の振興に関する法律」に基づき経済産業大臣が指定した工芸品であり、現在全国で211品目 (平成23年1月末現在)が指定されています。しかし伝統工芸品産業は、(1) 需要の低迷や、(2)量産化ができないこと、(3)人材、後継者の不足、(4)生産基盤(原材料、生産用具など)の減衰・深刻化、(5) 生活者のライフスタイル・価値観の変化と情報不足により、その産業そのものが危機的な状況にあります。

・人々の暮らしに寄り添い、心を打つ伝統文化・行事・産業
​・地域に支えられ、日本、世界に繋がる伝統文化・行事・産業
・過去から現在、未来に生きる伝統文化・行事・産業

上記をどうのように進めていくべきか。特に伝統産業の業界全体における中小製造企業としての弱み/強み、またコロナ以前の状況から現在までを振り返りながら、これらをどのように転換し、課題を克服していくか、3名の講師の方々とのパネスディスカッションを通じて内容を深めて参ります。

陶山計介 当研究所理事長
Profile:一般社団法人ブランド戦略研究所理事長。関西大学商学部教授。京都大学博士(経済学)。『ブランド・エクイティ戦略』(共訳著、ダイヤモンド社)、『日本型ブランド優位戦略』(共著、ダイヤモンド社)、『よくわかる現代マーケティング』(共編著、ミネルヴァ書房)などブランド・マーケティング研究の第一人者。日本商業学会元会長。
第1講「日本のものづくりの新たなビジネスモデル「双円」のブランド戦略」

株式会社カドー 取締役副社長兼 クリエイティブディレクター/株式会社アエテ 代表取締役 鈴木 健氏

鈴木講師からは、日本のものづくり力や美しい文化を発信するプラットフォームとなることを目指して創設した、日本全国のメーカーや職人とシェアしているブランド「双円」で取り組まれている、ものづくりの新たなブランド戦略についてお話しいただきました。

鈴木氏:現在はたとえ良いものを作ったとしても、きちんと伝えなければ売れない時代。この中で、伝えるためのデザインにもお金や力をかけてトータルにブランドを運営すること、また日本的な形の美しさを追及すること、そして停滞するものづくり産業への貢献を目指して、「双円」のブランドを立ち上げました。

日本の伝統産業の方々によっては、”自分たち発信”でモノを作って売ることはせず、またデザイナーが介在しないため情報発信をしない、ブランドをもたない等の課題がありました。そこで、日本全国のメーカー7社や職人と双円のブランドをシェアし、日本のものづくり力や美しい文化を発信するプラットフォームとなることをコンセプトとして双円を立ち上げ、双円ブランドを使用するロイヤリティを運営資金として、広告宣伝、ウェブ、動画、カタログ製作等を行う仕組みをつくりました。

こうして設立した双円には、そのブランドを特徴づける4つのシェアの形があります。

1)「かたち」をシェアし、異業種・異素材で「もの」づくりをする:
図面をシェアすると、1つの形から様々な素材のラインナップができる。作り手都合の座組ではなく、ユーザーにとっても面白さがあることがポイント。

2)「販促物」をシェアし、世界観を統一する:
販促物やクリエイティブは一本化しているため単価が安く・ブレない。また、ものづくりで最も話題がつくれる新商品ネタも、無理なく手に入りやすい

3)「販路」もシェアし、出会いの機会を増やす:
デパート、自社、BtoB等、それぞれ得意な販路を(一定の掛け率をかけて)シェアすることで、今までなかった販路への拡大ができる

4)日本のメーカーと「双円」をシェアすることで、日本の産業活性化を目指す:
日本の伝統産業×デザイナー×テクノロジーというアプローチによって、全く異なるライフスタイルの方にもリーチできる、大きな成長へのきっかけとなる

現在は、オフライン(直営店・祭事・雑貨店・百貨店)でのコミュニケーションだけでなく、オンライン(公式サイト・ショッピングモール・セレクトショップEC)の他、積極的にSNS(Facebook、インスタ、ツイッター、ピンタレスト、LINE)を更新しています。この日々更新し発信する情報の中で重要なことは、中長期的に自分たちの「らしさ」も表現する必要があるということです。

例えば、製品開発の理由や商品への想い・情熱を、オフラインの総合/新商品カタログ、コンセプトシート等で描く。あるいは自分達の想いをタイムリーに、季節にとらわれず表現する場合には、CGを活用して画像を制作し、その想いを伝えていること、また商品ではなく人や場所にクローズアップしたメーカーの動画コンテンツを作り上げるなど、様々あります。

まだ立ち上げたばかりの双円。日々どうすれば成功するのかチームで模索している状態ですが、これからも温かく見守っていただけたら幸いです。

鈴木 健氏
株式会社カドー 取締役副社長 兼 クリエイティブディレクター 株式会社アエテ 代表取締役

Profile:東芝、リアル・フリート(家電ブランドamadana)にてプロダクトデザイン、デザインマネージメントを手掛けたのち、家電メーカー株式会社cado(カドー)を設立。「空気をデザインする」を理念に、空気清浄機や加湿器、除湿器などの製品を製造・販売。同時に、デザイン会社、カドーデザイン株式会社(2017年にアエテ株式会社へ社名変更)を設立し、クリエイティブディレクターとして「cado」のプロダクトデザインからコンセプトワーク、販売、PRまでデザインワーク全体を統括。2018年2月自社ブランド「双円」を設立。同年11月 cadoと韓国の財閥グループのSK networksが共同で設立した理美容家電ブランド「カドークオーラ」のクリエイティデザインを手掛ける。ドイツのレッドドット・デザインアワード、iF デザインアワード金賞、中国のデザインインテリジェンスアワード、JIDAデザインミュージアムセレクションなど受賞歴多数。
第2講「有田焼をどのようにして次世代につなげてゆくか

株式会社キハラ 代表取締役 木原 長正氏

木原講師からは、有田焼産地の卸商社でありながら自社ブランドによる商品開発に取り組み、さらに海外への事業拡大を図ってきたその長い経緯や困難、そして成果を伺いながら「有田焼をどのようにして次世代につなげてゆくか」をテーマとお話しいただきました。

木原氏:株式会社キハラは、1955年に設立した有田焼産地の卸商社でありながら自社ブランドの商品開発の取り組みを2005年頃より始めていました。また2000年頃より海外事業をスタートさせ、欧州やアジアの展示会に出展し続け、2013年のシンガポールとの取引を契機に、ようやく海外事業が軌道に乗りはじめました。2016年には有田焼創業400年を迎え、さらに海外事業を拡大する一方で、自社ブランドKIHARAの市場への浸透も図っています。

全国の伝統産業と同様に有田焼は、バブル期に生産のピークを迎え、その後は減少の一途をたどり存亡の危機に瀕しています。特に有田焼は旅館や和食料理屋向けの業務用食器を中心に生産してきたためライフスタイルの変化に対応できず大きなダメージを負ってきました。海外事業やIT化への取り組みにも遅れをとっていた中で、現在のコロナ禍の中で飲食店やブライダルなどが壊滅的なダメージを受け、さらにその生産は大きく落ち込んでしまいました。

このような厳しい状況の中、2016年に官民一体となり1)市場開拓、2)産業基盤整備、3)情報発信の3つを柱とした有田焼創業400年を記念するプロジェクト(ARITA 400 project)がスタート。これをきっかけとしてキハラでは、パリで毎年開催されるメゾン・エ・オブジェ(毎年1月と9月にパリで開催される世界最大のインテリア&デザインの国際見本市)に継続的に参加し、当時のゲストクリエーターである佐藤可士和氏(アートディレクター)とコラボして制作した作品が大きな話題となりました。

ARITA 400 projectは海外ビジネスに取り組むきっかけを生み出したイノベーションであったと実感しています。今では国内外のデザイナーやクリエーターとのコラボが当たり前となり、現在のライフスタイルに合った商品が開発されるようになりました。また地元の子どもたちや若い後継者たちが400年事業をきっかけに、有田に興味を持って地元に帰ってきてくれ、有田の将来につながっていることを実感しました。

キハラでは2000年から海外事業をスタートしていましたが、初回のオーダーはもらえるが、遠く海外から追加のオーダーをもらうことはとても難しいことでした。しかし2013年に最後の展示会として臨んだシンガポールでの出展の際に、現地で有力な販売店のオーナー兼デザイナーの方と巡り合い、制作したOEM(相手先ブランド製造)商品が現地で大きな人気を得て、弊社の海外事業が始めてビジネスとして成立するようになりました。これをきっかけとして、現在はアジアだけでなく、欧州人のための商品開発を継続しています。

一方国内においてキハラは、インテリアショップや雑貨店で有田焼を売る仕組みを作った先駆け(2005年頃~)であり、伝統的な有田焼ではなく、若い消費者が好むシンプルでおしゃれな商品開発を自社のインハウスデザイナーが行ってきました。市場で認知度が高まるにつれてOEMの依頼も増加。KIHARA公式HPを自社ブランドとOEMプロデュースをメインにリニューアルし、2017年にはKIHARA TOKYOを渋谷区富ヶ谷にオープンさせ、さらなる情報発信に取り組んでいます。

冒頭で申し上げた通り、キハラは窯元ではなく産地の商社。ものづくりにおける商社の強みは、商品開発やOEMの依頼内容をそれぞれの窯元が持つ特性によって使い分けることができることです。産地には数多くの窯元や職人がおり、キハラはこの人脈に精通し産地ならではのネットワークを構築しています。この中でキハラは、窯元や職人の技術を未来に繋げていく使命を担っていると考えています。

今年、これまで117年開催を続けてきた有田陶器市は、コロナ禍で初めて中止となりました。業界としてこの危機を打破するために急遽Web陶器市を開催。これがニュースとなり、またコロナ禍の外出自粛へのストレス発散等の要因も重なりWeb陶器市は大ブレーク、今年はまさに有田焼Web元年となりました。業界もこれからIT化が進むと期待しています。

有田焼は400年の長きにわたり幾度の困難を乗り越え、欧州の王侯貴族へ輸出されたり国内の大名たちの献上品に用いられたり、明治以降は一般庶民の食器として人々にも愛されてきました。キハラはこの400年燃やし続けた伝統の炎を消すことがないよう産地の職人たちやこれからの子供達に伝統・技術・知識を礎に、現代のライフスタイルに調和する有田焼を次世代に繋げていきたいと思います。

木原 長正氏
株式会社 キハラ 代表取締役

Profile:1952年生まれ。立命館大学理工学部機械工学科卒、㈱キハラ入社。2004年 代表取締役就任、現在に至る。株式会社キハラは1955年設立の有田焼産地卸商社。1995年頃より産地商社でありながら自社ブランドの商品開発に取り組み始める。2000年頃より海外事業をスタート、欧州やアジアの展示会に出展を経て、2013年シンガポールとの取引を契機に海外事業が軌道に乗る。2016年に有田焼創業400年を迎え更に海外事業が拡大する一方、自社ブランドKIHARAの市場への浸透を図る。2017年 KIHARA TOKYOオープン。
第3講「ブランディング戦略としてのクールジャパン投資事業

株式会社海外需要開拓支援機構(クールジャパン機構)

クールジャパン機構講師の児山氏からは、「ブランディグ戦略としてのクールジャパン投資事業」をテーマとして、同機構が行う日本文化の魅力を発信する事業にフォーカスした投資支援、海外需要開拓のマーケティング、PR・ブランディングの事例や課題についてお話しいただきました。

クールジャパン機構・児山氏:クールジャパン機構では、日本文化の魅力を発信する日本企業の輸出を含めた海外展開を支援しています。当機構は日本政府のクールジャパン政策に基づき2013年の11月に設立された経済団体ですが、元々その政策は日本企業の次世代の成長産業を育てるために、日本の魅力を海外で発信する場づくりを行ない、そこでの外需を取り込み、外貨を獲得することを目的とするものでありました。しかし、現在は新型コロナウィルス発生以前に4,000万人の訪日客で繁盛していた日本のインバウンド事業での問題改善(新しい観光ルートづくり等)に資する投資にも取り組んでいます。

その事業投資を通じたアウトバウンド事業から訪日インバウンドへの流れをつくり、そこで外貨を獲得した日系企業が更に新規のアウトバウンド事業に挑戦するという流れをつくる「クロスバウンド」と呼ばれる循環型の魅力発信の支援に取組んでいます。

このような取り組みの中で特に①B to C、②海外展開、③そしてこの両者によって及ぼされる波及効果の3つを重視しながら、メディア・コンテンツ、ファッション・ライフスタイル、食・サービス、インバウンド等の日本の文化的な魅力が集まっている分野に注力投資し、投資後のビジネスマッチング等のバリューアップや幅広いネットワーキングを通じた各種情報収集も行っています。

当機構の資金的な概観をお伝えしておきます。当機構は出資金の9割が日本政府から、残り1割は民間の出資で成り立っている官民共同ファンドです。これまで48件・総額1,053億円の投資案件を決定しています。

そして、経済産業省の所轄するJETROや中小企業基盤整備機構(以下、中小機構)と対比させて、その違いから当機構の役割につきましても簡単にお話いたします。

中小機構では、ものづくりや技術、医学的なヘルスケア等といった領域に重点がおかれていますが、これらは日本の文化的な要素の薄い場合が多く、当機構のミッションから勘案すれば注力しにくい分野です。
JETROは当機構が注力する同分野の支援領域もありますが、どちらかというと販路開拓に重点が置かれており、当機構ではPR・ブランディング・マーケティング等での支援を強みとしています。

さらに企業規模の観点からですと、経産省の政策としては中小企業を主な支援対象としており、上述した他の2機関はそれに準拠しておりますが、クールジャパン機構では企業規模を問いませんので、この点でも大きな特徴があります。

ここからは先のお二人の講師の方のお話とも関わる、海外需要開拓の課題についてみていきます。海外需要開拓において、通例は下記の4つの大きなプロセスがあります。

1.新製品開発(何を売るか)
2.マーケティング/販路開拓・契約交渉(何処でどうやって売るか)
3.PR・ブランディング(誰にどう見せて売るか)
4.現地オペレーション(特に人)

中小機構は1.新製品開発、JETROでは2.マーケティング/販路開拓に各々取り組みの焦点がありますが、クールジャパン機構では、2.マーケティング/販路開拓から、3.PR/ブランディング、4.現地オペレーション(海外展開の後方支援)の着地に至るところまでを支援するところに特徴があります。

クールジャパン機構の戦略としては、国内コンテンツの創造から、海外消費者へのリーチまでを対象として投資を行っています。近年では、日本と海外の間の流通を強化する投資がトレンドとなっていますが、この投資を通じて海外消費者へのリーチに焦点を当てて、国内の様々な分野のコンテンツを海外の消費者に紹介しています。

さて、今回のお題であります「ブランディング」というところに焦点を当てます。
海外需要開拓を行う際には、プロダクトアウト(商品を説明して販路を開拓する)または、マーケットイン(現地の趣味嗜好を参考にして商品を作り販路を開拓する)のどちらを採用するべきかが常に課題となります。これは売り出す商品・サービスの商品性やストーリー性の有無・強弱等から通例判断します。

商品性やストーリー性が強くなければ、マーケットインが普通だと思いますが、マーケットインの考え方と実行する手法は様々あり、例えば消費者調査を通じたテストマーケティングというのは基本中の基本ですが、個人的に注目しているのはその後のフォローとしての認証取得です。

これは食の分野では顕著な動きなのですが、代表的なものとしてハラール認証、コーシャ認証、ビーガン認証、GMO Free(非遺伝子組み換え)認証等があります。これらの認証は、見ること自体が初めての日本の商品の場合、現地消費者に購入する際の安心感を与えるツールであるというように考えると良いと思います。

また最近の企業によるSDGsの取り組みの発信は、自社の商品やサービス以外のポリシー、例えば政治や社会、環境に対するポジティブなアクションを強く発信するツールともなっています。これもSDGsマークという国連が定めた世界共通の17のマークを介したマーケットインの新しいPR手法のひとつです。

これらに対してアンテナを張りながら、実際に海外に赴き海外現地の同業等の店舗視察を行うことでマーケティング・PR・ブランディングの様々な可能性を現地の風を感じながら探ることも大事なヒントがあり、重要なことではないかと思います。

株式会社海外需要開拓支援機構(クールジャパン機構)
Profile:クールジャパン機構は、日本の魅力ある商品・サービスの海外需要開拓に関連する支援・促進を目指し2013年11月に設立。法律に基づき政府出資及び民間出資により構成された出資金を元に「官民ファンド」として設立されたエクイティプロバイダー。「日本の魅力」を事業化している方々の海外需要の獲得に金融面で貢献すべく、「メディア・コンテンツ」「食・サービス」「ファッション・ライフスタイル」「インバウンド」をはじめとする“B to C”の領域を中心とした様々な分野でリスクマネーの供給を行っている。
◇パネルディスカッション・質疑応答

左から陶山理事長、鈴木氏、木原氏、クールジャパン機構講師

陶山計介当研究所理事長(関西大学教授)をファシリテーターとして、3名の講師とともにパネルディスカッションを実施。コロナ前後の日本の伝統文化・産業の現状、ジャパンブランドとしての付加価値の創出や、伝統文化・産業の再構築、海外展開を含めた今後の展望についてさまざまな議論が展開されました。

また、参加者からは、「海外におけるマーケットインの特徴的な事例」「ITや語学に強い若い後継者に求めること」など質問や感想が相次ぎ、活発な質疑応答がなされました。

◇閉会の挨拶

最後に、関西大学東京経済人クラブ運営委員/JLLモールマネジメント株式会社取締役会長・大津武氏より、講演を受けて、様式や伝統に捉われない①きめ細かなものづくり、②デザイン・販売の現地化、③海外消費者へのマーケットイン、これらの先進的で生真面目な取り組みの姿勢がクールジャパンブランドの評価につながっていくとお話しいただきました。

◇総括

今回の東京第17回フォーラムは「“クールジャパンブランド”としての日本の伝統・文化の戦略課題」をテーマに、お三方それぞれの分野でのこれまでの素晴らしい活動についてお話しいただきました。講師の方をはじめ多くの皆様のご協力により本フォーラムを盛況のうちに終えることができました。ご講演いただきました3名の講師の皆さんには厚くお礼申し上げます。

2020/10/20

定例研究会開催レポート

お問合せ


大阪事務局
〒532-0011
大阪市淀川区西中島7-4-17
新大阪上野東洋ビル3階

東京事務局
〒103-0025
東京都中央区日本橋茅場町1-8-5
KKビル3F

Web site
https://www.brand-si.com/

管理画面

powerdby