HOME» 定例研究会開催レポート »【開催レポート】2012年 7月 定例研究会
定例研究会開催レポート
【開催レポート】2012年 7月 定例研究会
2012年7月度(通算64回)定例研究会では、「日本が生んだ世界食 インスタントラーメン」で有名な日清食品のブランド戦略についてお話をいただきました。チキンラーメンやカップヌードル等、ロングセラーブランドの誕生秘話、模倣と係争にみる知的財産上の課題、同社の今後のグローバル戦略等いずれも非常に興味深いものでした。
当研究所初めての試みとして東京および大阪をTV会議システムで結ぶ同時開催でしたが、おかげさまで会員や入会をご検討中の企業・団体の皆様、ご紹介者などを中心に大阪本会場、東京サブ会場をあわせて23名のご出席をいただきました。
日清食品は、漫然とした総合食品メーカーではなく、各カテゴリーの中で常にNO.1ブランドを創造育成し、そのNo.1ブランドの集合体として形成される「ブランディング・コーポレーション」として、ブランドマネージャー制度にもとづいて数々のヒットブランドを生み出してきたこと、二大ヒットブランドであるチキンラーメンが麺類の概念、カップヌードルが即席麺の概念をいかに変えるものであったのか、新製品開発におけるイノベーションやパラダイムシフトについて具体的に説明いただきました。
同時に、チキンラーメンやカップヌードルの発売後、模倣品の横行(意匠権、商標権の侵害、不正競争防止法違反)に対して日清食品が行ってきた警告・告訴・提訴などに関する詳細なお話しを通じて、知財戦略の重要性が強調されました。
日清食品ホールディングス(株) 管理本部 参与 知的財産センター
Profile:1976年大阪大学工学部卒業後、日清食品(株)に入社
商品企画課において、主に商品のパッケージ企画、消費者調査業務に従事。
1989年法務課に転属。2005年に法務部長に就任し、知的財産部門の業務を統括。社外では、日本食品・バイオ知的財産権センター理事に就任のほか、大学や各種団体のセミナー講師として活躍中。
質疑応答ではプロダクトマネージャー制とブランドマネージャー制の関係、コーポレートブランドの独自性、製品とブランド、既存のブランドコンセプトと新しいブランドコンセプトとの関係、ブランドコンセプトとブレイクスルーポイントとの関係、特許・商標・意匠をめぐる係争における基本的な考え方、知財部門の役割などについて活発な議論が行われ、参加者も大いに納得と理解を深めることができました。
2012/07/26 |