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定例研究会開催レポート

2012年 8月度(65回) 特別研究会 開催レポート

特別研究会 開催レポート
8月特別研究会テーマ
超リサーチ・知財志向のヒット商品づくりと
企業ブランディングの成功条件を探る
-マーケティング・リサーチを超えたヒット商品づくりのための経営者のセンスアップ
-知財の取れない商品開発は止めた方が良いか
-商品のヒットをいかにコーポレート・ブランディングに結びつけるか


東日本大震災後約1年半が経過しましたが、価値観やライフスタイルの変化、消費・購買行動の新たな動きのなかで、強いブランドへの集中化や定番ブランド回帰と同時に、社会インフラとしてのブランドの役割が注目されています。このような環境変化のもとで、時代や社会の空気をどう読み解くかがブランド戦略の成否を決めると言っても過言ではありません。

次世代のマーケティング・リサーチとはいかなるものか。情報やデータを生かすマーケターや経営者の資質とは。知財につながらない商品開発に果たして意味があるのか。製品としてのブランドを組織や人格、シンボルとしてのブランドにどうブラッシュアップすればよいのか。

今回の特別研究会(会員夏季強化合宿)の課題は、「経営トップマネジメント、マーケティング、知財の三位一体化」という当研究所のミッションをさらに一歩進めて参加者の皆さんとの討論を行いました。


◇8月25日(土) シスメックス株式会社テクノパーク視察+意見交換


シスメックス社の40周年を機に設立された研究開発の中核施設であるテクノパークを視察しました。

この施設は、「知の創造と継承」をコンセプトとして、7万平米を超える高大な敷地の中に最先端のテクノロジーが駆使されているだけでなく、コミュニケーションやリフレッシュを意識的に取り入れた研究者・技術者にとって最良の環境が整えられています。

加えて日本庭園や茶室、各種の絵画・モニュメント、発想の転換を促す仕掛けや瞑想の部屋、マラソンランナーである野口みずきさんの記念碑、最先端技術発表や世界の経営者会合等を行う最大600人収容のホール、社内託児所など、まさにシスメックス社のフラッグシップ拠点ということを実感しました。

その後案内いただいた井上理事を中心に同社の知財戦略と研究開発、事業・経営方針との関連、ブランドの重要性、地元神戸を中心にした地域や社会への情報発信とコミュニケーション、テクノパークの位置づけなどについて意見交換が行われました。特に、各部署はすべて会社の売上、利益を達成するために貢献しているとの同社の考え方は働きやすさにもつながっていると感じました。
シスメックス株式会社テクノパーク
http://www.sysmex.co.jp/sysmex/technopark/index.html

◇8月25日(土) トピックス&スピーチ




神戸六甲山頂にある関西大学六甲山荘に移動し、今回のテーマに沿って陶山理事長、中川専務理事、エンジニア高崎社長、ドゥ・ハウス高栖専務からスピーチが行われ、それぞれの立場から以下4点の問題提起がなされました。

①PB(プライベートブランド)とNB(ナショナルブランド)の現状、とくにNBの課題
②商標登録の無効に対する方策、とくに事業、ブランドの継続をいかに行えるか
③PBとNBの関係、メーカーとリサーチや流通とのコラボレーションの仕方、マーケティングやプロモーションの重要性、ブランド(付加価値)の力、必要性と限界
④既存のマーケティング・リサーチの限界、消費者の正しい理解、商品やブランドの役割

講師:当研究所理事長 陶山計介
講師:当研究所専務理事 中川博司
講師:株式会社エンジニア代表取締役  高崎充弘氏 http://www.engineer.jp/
講師:株式会社ドゥ・ハウス専務取締役 高栖祐介氏 http://www.dohouse.co.jp/

◇8月26日(日) 参加者の方々と討論会
討論テーマ:
「リサーチ結果を商品開発に反映させる際の課題及び商品ブランドとコーポレートブランドの関係性」




「経営とマーケティング」「経営と知財」の2つのグループに分かれ、グループ・ワーク形式で各トピックスについて深い討議を行いました。その後、両グループの代表が討論の成果を発表、全体で議論と総括を行いました。

ここでの論点は、今日のグローバリゼーションやICT革命、とりわけメーカーと流通企業との新しい関係のもとで、生活者や購買者・消費者にとってブランドの果たす役割が大きくなっているとしても、どうすればブランドを立てたり、メガヒットする商品を開発することができるのかということでした。

まとめとして、以下の項目が出されました。

第1に、生活者の主観的な合理性をふまえた「納得と共感」がますます重要となる。

第2に、生活者・購買者の一部の行動のみに焦点を当てた従来の仮説検証型の定量調査だけではなく、もっと変化する生活者とその行動をトータルに理解するマーケティング・リサーチが求められる。

第3に、企業内では情報のフローを正しくマネジメントして意思決定に結びつける企業文化と経営トップのリーダーシップが不可欠である。

第4に、メーカーと流通企業の関係の新しい局面に合った製造と販売のビジネスモデルやそれをふまえた知財戦略を構築する必要がある。

 

2012/08/30