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定例研究会開催レポート

2013年12月度(75回) 定例研究会 開催レポート

定例研究会 レポート
研究テーマ「Calbee Jagabee事業戦略~NB/PB展開を交えて~」

今回の2013年12月度(通算75回)定例研究会では、山村 眞 カルビー株式会社マーケティング本部Jagabee事業部部長から「Calbee Jagabee事業戦略~NB/PB展開を交えて~」についてご講演いただきました。

1949年松尾糧食工業所として広島で創業、1955年「カルビー製菓株式会社」を経て、現在のカルビー株式会社になりました。カルビーは、『自然の恵みを大切に活かし、おいしさと楽しさを創造して、人々の健やかな暮らしに貢献します』という企業理念を掲げ、未利用資源をいかに使うかという点を大切にしています。

多くの人には「かっぱえびせん」「ポテトチップス」「じゃがりこ」「Jagabee」、最近では「ベジップス」といったヒット商品を世に出してきたスナック菓子メーカーとして知られ、連結売上高179,411百万円、従業員3,352人 (2013年3月期実績) を擁する菓子・食品の製造・販売会社へと成長しています。今回の山村 眞部長の講演では、Jagabeeブランドを中心に大きく2つのことについてお話をいただきました。

◇研究テーマ
「Calbee Jagabee事業戦略~NB/PB展開を交えて~」
山村 眞部長の第1のテーマは、Jagabeeのブランディングに関してです。Jagabeeはブランドステートメントとして、「素材にこだわった『また食べたくなる』、そんなポテトスナックでちょっと素敵でちょっとやさしい、私らしくて前向きな生活を約束する」を掲げています。

Jagabeeのターゲット層はカロリーを気にする20代独身女性ですが、はじめはコンビニのみで販売したり、彼女たちがスナック菓子を食べ終わったあとに「食べ過ぎた」ということを後悔しないように容量を少なめにするといった施策を行っていました。

今後の課題として、ジャンクフードから脱却し、世界で戦えるポテトスナックに育て上げることや、国内ではスナック購買が多い10代の購買比率が低いため、そこをどのように拡大するかといったことを挙げ、現在取り組んでいるということです。

第2のテーマは、スナック菓子カテゴリーにおけるPB動向についてです。PB商品の販売金額はコンビニが顕著で、全体を牽引しています。カルビーの調査によると、PBスナックを購入する人は30~50代男性が多いそうです。一般的に、PBは価格を重視する層が購入すると考えられていますが、カルビーによるとこの層はブランド選択で悩みたくないためにPBを選択しています。

Jagabeeと同系統のポテトスナックに焦点を絞ると、PBの伸びはあまり見られません。NBがやはり強いことや「切って揚げるだけ」に近いJagabeeのシンプルな製法のため、近年PBで取り組まれているプレミアム感を出すことも困難であることがその理由として考えられます。

カルビーのPBへの対応ですが、企業としては積極的に取り組むことを決めています。Jagabeeはファミリーマートと協力して商品開発をしましたが、それはターゲットが同じでプレミアム感を出すことができたというのがその理由ということです。このように、相手先の企業とターゲットやコンセプトが同じであれば、今後もPBに前向きに取り組んでいくとのことです。

カルビーは、多くの人気製品ブランドを持っており、その中でカニバライゼーション (企業内でのシェアの奪い合い) が起こらないように注意する必要があります。このような環境下でJagabeeを育てているマーケティング本部Jagabee事業部の山村部長によるJagabeeのブランド戦略、対PB戦略に関するお話は、製品・サービスを問わず企業がブランディングを行う上で非常に多くの示唆に富むものでした。
講師:山村 眞氏 カルビー株式会社 マーケティング本部Jagabee事業部部長 Profile:1984年株式会社東急エージェンシー入社、営業職として担当クライアントの広告業務全般を担当。2003年第1営業局局長。2005年カルビー株式会社入社、マーケティング本部じゃがりこ・Jagabee事業部Jagabeeチームブランドマネージャーを経て、2012年現職(Jagabee事業全体を統括)

◇質疑応答
講演後は、様々な質疑応答が行われました。たとえば、今後の事業展開を考える際、じゃがいもやスナックだけでは限界があるように思われるが、その点をどう考えているのかという質問については、国内では投資するにもスナック分野では限界があるのではということでした。

特にポテトチップスであれば日本国内でのシェアが70%を超え、これ以上高めるのはなかなか容易ではないため、シェア拡大だけでなく、製造原価をいかに下げるかといった点にも注目しているそうです。

そこで、カルビーとしてはフルーツグラノーラに注力して成長を図っています。他にも、直販店を始める等これまでのように製品ブランドの育成だけに力を入れるだけではなく、幅広い観点からカルビーという企業ブランドを育成しているということでした。

その他、Jagabeeやカルビーの海外展開、商品開発、商品改良のアイデアなどについても会員から種々の質問が投げかけられ、活発で有意義な質疑応答がなされました。



2014/02/14