ブランド対談 #03

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ブランド対談 #03

ブランドパーソナリティから見る次世代のマーケティング・リサーチ interview

―――経営者が必要なデータを得られる環境を構築するのは、大企業でも経営戦略室を設けながらもデータを共有するには問題も多く、また中小企業の場合はプロマネの人材不足などで、実際には難しい現状があるかと思います。そのようなジレンマの中で、御社はどのようにアプローチをかけておられるのでしょう
高栖氏: 意見をデータベース化するということは企業にとってなかなか難しいことでもありますが、一度データにしてしまえばそこにいろんなインデックスやタグ付けができますし、いろんな仮説の入った意見ではない事実があつまってきます。 そこで我々ができることは、経営トップがアクセスし易いしくみ、検索し易いデータベース化をご提案することですね。

また、たとえば食品メーカーさんだと、経営トップの方々は自分の奥さん以外に調理をしている姿をあまり目にすることがないでしょうから、他の主婦の方が自社の商品をどのようにして購入しているか、どう使っているのかを実際にお買い物に同行して体験していただくといったご提案なども行っています。

 

 

 

―――社内データベースの構築といった内部的なアプローチと、実際の消費者行動を体験していただくといった外部的なアプローチ、双方のご提案をされているということですね。

 

高栖氏: 両方必要ですね。ある食品メーカーさんの場合、経営トップの方とDOさん(ドゥ・ハウス運営「DOさん・ネット」主婦モニター会員)に、一緒にスーパーにお買物に行っていただいて、主婦がどんな風に買ったり選んだりしているのか、またその時の気持ちはどうなのか、ということを体験していただいたこともあります。

 

―――そのDOさんのサンプル女性を選ぶ際、たとえば40代の主婦でも、ライフスタイルや経済環境などが違うと価値観も違い購買の仕方も違いますから、あらゆるパターンが存在しますが、サンプルを選ぶ時点で既に「こうするだろう」と実際の行動を観察する前に仮説は立てておられるのでは?それは仮説なのか行動観察なのかというところはいかがでしょう。

 

高栖氏: 我々もある程度の分類種別をしていまして、40歳代の主婦であれば、独身の方もいれば、既婚で子供がいる方いない方、パートに出ておられる方、継続収入のある方など、今現在置かれている状況によって価値観はある程度分けられると考えています。その価値観とその人(サンプル)のとった行動の中にギャップが生まれると、そこはチャンスだと考えています。

つまり行動が変化していても、最終的には普遍的に変わらない価値観のほうへ寄ってくる。そこに今この人はある状況によってこういう行動をしているけれど、本来のこの人の価値観であればこんな行動をするだろうという予測が立てられるようになる。そうした潜在的に眠っている価値観を理解していくということが、今後はかなり重要になっていくかと思います。

 

―――潜在的な価値観とは、その人の価値観であれば、「するだろう行動」を予測するということですね。価値観の違う何パターンかの方たちを同時に調査されるのでしょうか。

 

高栖氏: さまざまな分類で調査します。先ほどの40代主婦の場合だと、20%以上のボリュームでいくと4分類ほどに分かれますから、それぞれに持っている潜在的な価値観を予め調査してストックしています。

 

―――では、定量データとある程度の仮説ありきでセグメントされているということですね

 

高栖氏: 定量データと、パーソナルインタビューによって得られたそれぞれの価値観の分類を持った上での調査になります。

陶山氏: 職業の有無、継続就業かパート就業か、子供の有無などの家族構成といったライフコースと、年齢面のライフステージの両方をもとに分類し、なぜ生活者や消費者がある行動をとったかという分析を行うと、ライフスタイルや価値観の違いなどが判ってくるかと思いますが、そこになにかSTP(Segmentation、Targeting、Positioning)の新しい切り口、従来のデモグラフィックな要因とは違ったインサイトがあると新しいブランド戦略やマーケティング・マネジメントを今後進めていく上で非常に面白いのではないかと思いますね。

高栖氏: 今生きている人の価値観はもう固まっていて、幸せになりたいとか、美しくなりたいとか、人が人として基本的に持っているニーズというのはあまり変わりませんが、これからの新しい時代を生きていく若い人たちや子供たち、次の世代の人たちがどういう価値観を形成していくのかを継続して調査することが、今後の課題だと思っています。

 

 

 

 

 

 

2012/10/03