ブランド対談 #06

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ブランド対談 #06

顧客満足度指数で見るブランディング vol.2

消費者基点のロイヤルティ


陶山氏: アメリカのACSIでは「クチコミ」よりも「苦情」が指標になっていますね。

湯浅氏: 日本の場合、苦情を言った経験があるかどうかを基点にしてしまうと、そもそもサンプル数が少なくなってしまうんです。あなたはその飛行機に苦情を言いましたか?とか、そのスーパーで苦情を言いましたか?というのは、日本人はほとんどそういう経験がありませんので、サンプルがなくなってしまうんですね。

日本人の特性を考えて、苦情よりも、他人に良いように推奨するかしないかに替えていることが特徴です。

陶山氏:  苦情というのは結構ハードルが高いんですね。なんとなく使い勝手が悪いとか、ちょっと品質が良くないと思っても、それを表に出すということは、かなりその製品・サービスや会社に対するコミットメント、つまり「こだわりが強い」ということになるんです。
そういう意味では、消費者の態度の一つ、コンシューマーオピニオンの上位、先端的なところをを拾っているということはあるんですが、それの対極として「こだわりは強くないけど、良くないと思っている」、あるいは「こだわりは強く、すごく良いと思っているから、人に推奨する」といった、ポジティブな強弱と、ネガティブの強弱とのトータル4つを「クチコミ」という形で拾いたいという狙いがあったんでしょうね。

湯浅氏:  ええ、日本人は自己主張が少ないので、その4つの項目の設定も、「これについて、あなたは好ましい話題としますか?好ましくない話題としますか?」と設問の段階で作りこんでいることも大きな特徴です。

陶山氏: ロイヤルティのなかには、そういったコミットメント、「絆(きずな)尺度」と言われてるんですが、会社や製品への思い入れが強いものから、漠然と良いなと思っているものまで「濃淡」があるんですね。 

ロイヤリティの仕様としてクチコミに焦点をあてる。情報発信源が企業ではなく、コンシューマージェネレーティブインフォメーションといった消費者基点のメディアが大きい。つまり今の消費者の購買動向を左右しているのは消費者自身だとというところが発想として出ていますね。

湯浅氏:  はい。「あなた自身が今後、それを使い続けるか」ということと、「周りの人に対して、あなたがどういう影響するか」というところですね。
陶山氏:  そのロイヤリティとクチコミの評価に対して、何が影響したのかというところは?

湯浅氏:  具体的には、たとえばクチコミが50点、ロイヤリティが60点という場合、他にもサービス品質についてなどの設問を用意していますので、その理由がある程度わかるようになっています。

あと利用者の生の声もいただいてまして、その企業が何に評価されて評価されてないかということがわかります。調査も単純に100問聞くというだけでなく、ストーリーを形成して回答し易い、工夫された設計になっています。

陶山氏: インターブランド社のブランド価値ランキングでも、ブランドの持つ生涯価値や、あるいは付加価値BVAに相当するものが、購買決定にどう影響しているかとか、ブランドが購買決定に影響する度合いとかいくつかあるんですけど、ブランドの財務的な価値。
コカコーラですとは6兆円のブランド価値がありますよという、ブランドが売買されるとしたら、どのくらいの金額で売買できるかというのは、その会社の値打ちをあらわす指標だと。ブランドやお客様の顧客満足は目に見えないけれど、なにか企業の経営指標として有用だというものだったり、こういう活動が価値にどう繋がるかということを知りたがってるところもこともある。

その中で企業にとってJSCIの顧客満足指数が、どんな価値があるのか、その点数が高いのが、業界の平均とか他社とくらべて相対的な地位としてのポジショニングがわかればいいですね。

湯浅氏: 企業価値というということですね。JCSIの場合も、ドラックストアとコンビニエンスストア、百貨店といった、業界も規模も違う企業体も全く同じ横並びで比較することができるのも特徴なんです。

ただし、コンビニやドラッグストアの数字が伸びてきて、百貨店が落ちてきているという業界の傾向としてはあるんですが、企業ごとにその特徴が出てきていますね。

陶山氏:  過去のトレンドもある程度わかってくるんですか?
湯浅氏: そうですね。百貨店の売上が落ちてきているので、百貨店トップ企業のスコアが落ちてくるかというとそうではなくて、百貨店の利用者が半減しても、回答するのはその半減された中で聞いていますので。

陶山氏:  逆に高くなることもありますよね

湯浅氏:  あります。特徴としてコアな人しか利用しない業界になると高くなります。

陶山氏: 調査対象企業をサービス業界に限定されてますが、製造業の調査もJCSIの構想はされてるんですか?

湯浅氏: ニーズとしてはあります。もともとJCSIを開発する段階で、デジタルカメラやパソコンも試行的にやった経緯はあります。
やはりモノに対する評価も入りがちだということもありますが、あくまでも私どもはサービスという形でこの調査をしていますので、デジタルカメラやパソコンがどれだけアフターサービスにニーズがあるかというと、今のところはまだ薄いということもあるので調査の対象から除いています。

今は製品のコモディティ化が進んでいますから大きな差が無いだろうと。今後、パソコンやTVに関してサービスで売っていくということになれば、調査の対象として復活する可能性もあるかもしれません。

陶山氏: どの製造業でも、商品だけを販売するのではなくて必ず付帯サービスも必ずつけていますよね。

湯浅氏: 特に今後はそういう流れになってくるでしょうね。

陶山氏: マーケティングマネジメントの場合、製品の中にアフターサービスやクレジットサービス、配達サービスも全部含めて「プロダクト」としていますから、今後はますます、サービスなどソフトの要素が今日の社会では重要になってくると思います。

そういう意味ではもう少し拡張したモデル化されて、いろんな業界対象に調査していかれると良いですね。サービスを提供するだけではない企業も多いですから。

湯浅氏:  ニーズとしてはあるでしょうが、まだ消費者側もそこまで意識がないというか、 実際にデジタルカメラが故障したから修理して直すより、新しい商品を買い換えてしまうほうが多いこともありますね。

 

 
 

 
2012/11/17

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