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2024年7月度 大阪第9回フォーラム・公開セミナー

テーマ:ファミリービジネス、イノベーションとブランド戦略経営
-『大阪王将の「超える」経営』からの示唆-

※終了しました。

一般社団法人 ブランド戦略経営研究所では関西大学経済・政治研究所「関西ファミリービジネスのBCMと東アジア戦略研究班」(主幹:亀井克之・関西大学社会安全学部教授)との共催講演会として「大阪第9回フォーラム」および同研究班「公開セミナー」を2024年7月18日(木)に開催します。今回のフォーラム・公開セミナーのテーマは「ファミリービジネス、イノベーションとブランド戦略経営-『大阪王将の「超える」経営』からの示唆-」です。

ファミリービジネスは、「同族会社」、「オーナー企業」などとも呼ばれ、創業者ないしその一族が所有したり(「同族所有」)、経営する(「同族経営」)法人組織です。法人税法では、上位3株主の持ち株比率があわせて50 %を超える会社を「同族会社」と定義しています。わが国ではトヨタ自動車、サントリー、ファーストリテイリングなど2020年度に上場企業のうち半数近くがファミリー企業だといわれています(後藤俊夫・落合康裕他『ファミリービジネス白書2022年版』)。海外ではフォード、ウォルマート、エルメスなどが有名です。

ただその約99.7%を占め、わが国の経済を支えている大黒柱となっているのが資本金や従業員数も少ない中小企業です(中小企業庁調べ)。小売業、農業、製造業、サービス業など幅広い業種に見られますが、外食業では個人経営が総店舗数の約4分の3、法人形態であっても資本金1,000万円未満のものが4分の3を占めるなど、中小・零細な事業者が多いといわれています(経産省調べ)。家族経営で運営されるファミリービジネスの小規模な飲食店やレストランは、コロナ禍の移動制限と外食消費の減退、近年の人手不足、原価高騰など、さらに大手チェーンとの競争によって売り上げが落ち込み、存続が危ぶまれる状況が続いています。

中小企業庁では、2022年6月の第35回中小企業政策審議会において、世界・日本が構造変化の局面を迎える中、「成長と分配の好循環」を実現するために、中小企業の生産性向上や売上・利潤の拡大を目指し、賃上げや新事業展開等の次の挑戦に投資する意欲を持った「成長志向の中小企業」の創出という政策の方向性を打ち出しました。近年の物価上昇トレンドへの転換、深刻な人手不足、GX・サプライチェーンに関する社会的要請などをふまえ、①事業戦略(自社の価値創出に向けた企業活動)、②経営者(他の経営者や異業界への接触等をはかる試み)、③社員・組織(社員の理解浸透・意欲喚起)に言及しています。資料(pdf)「中小企業の成長経営の実現に向けた研究会」の趣旨について(令和5年2月15日 中小企業庁企画課) 中小企業ならではの所有と経営の一体性を生かしたスピード感のあるイノベーション、社会課題に対応した新たな価値観を捉えたビジネス創出、住民の交流や文化・伝統をふまえた地域コミュニティへの貢献、企業の提供価値に対する社員の理解をどう進めるかが喫緊の課題といえます。

外食業界のファミリービジネスが存続・成長していく手段は大きく3つあります。第1は、創業者のアントレプレナーシップ(企業家精神)、起業家としてのリーダーシップです。将来を見据えた明確なビジョンや方向性,旺盛なアントレプレナーシップの発揮や独自の経営理念の確立、変革型リーダーシップが不可欠となります。第2は、独自のビジネスモデルや地域密着性を武器に地元の顧客から支持され、ロイヤルティを形成し、リピーターを獲得することです。地域コミュニティを形成しながら、お客様の好みやニーズの変化をとらえ、あるいはそれを先取りすべくメニューや接客サービスを常にイノベーションしなければなりません。第3は、ビジネスを急速に展開する上で十分な経営資源、資金や人=従業員をもっていない場合、チェーン化、フランチャイズ化を通じたスケールメリットの実現です

大阪王将、イートアンドは1969年9月、「おなかいっぱいの幸せ」を掲げてスタートしたファミリービジネスである日本初の餃子専門店。アントレプレナーシップ、地域コミュニティ、チェーン化を進める一方、ラーメン専門店やベーカリーカフェなど新しい業態開発にもチャレンジを続け、現在、外食事業の売上高は145億円近くとなっています。そして1993年からは食品事業にも参入しており、主力商品の冷凍餃子は多くの消費者に支持され、市場シェアの3割強を獲得するまでに躍進し、中華を中心とする食品事業で確固たる地位を確立しました。リーマンショックやコロナ禍、原材料高など幾多の困難を乗り越え、現在、グループ全体として売上高は約360億円となっています(2024年2月期)。

事業拡張や業態転換の際にはリーダーシップや新たな組織文化の醸成が必要となってきます。家業とは異なり、さまざまな価値観を持った社員がインターナルステークホルダーとして関わるようになるため、価値観を統一しなければなりません。またコーポレート・ガバナンスやダイバーシティとインクルージョンを重視するピープルマネジメントの課題も生まれてきます。今回の大阪フォーラム・公開セミナーでは、創立55周年を迎える本年3月に刊行された、文野直樹・陶山計介著、伊藤佳代執筆協力『大阪王将の「超える」経営』(幻冬舎MC)から得られる示唆を中心に、中小企業やファミリービジネスにおけるイノベーションとブランド戦略経営について考えるものです。

冒頭、主催者開催挨拶、講師のご紹介を宮脇 一当研究所理事、事務局次長、情報工房株式会社代表取締役と、亀井 克之関西大学経済・政治研究所「関西ファミリービジネスのBCMと東アジア戦略研究班」主幹、社会安全学部教教授、日本リスクマネジメント学会理事長より行い、その後、『大阪王将の「超える」経営』の刊行に関わった三人よりお話しをいただきます。

まず当研究所理事、社会保険労務士法人ソーケム代表社員、特定社会保険労務士で同書の執筆に協力した伊藤 佳代氏から刊行に寄せた開題の後、第1講の講師である株式会社イートアンドホールディングス 代表取締役会長CEOの文野直樹氏、第2講の講師である当研究所理事長、関西大学経済・政治研究所非常勤研究員、関西大学名誉教授の陶山計介氏からお話しをいただきます。

その後、宮脇 一当研究所理事のコーディネーターのもと、文野直樹、陶山計介、伊藤佳代の3名に、しろはとホールディングス株式会社 代表取締役の永尾俊一氏、亀井克之氏を加えた5名によるパネルディスカッションを行います。

ファミリービジネスや中小企業、飲食業の成長と発展、事業承継が成功するポイントについて詳しく知りたい方、ベンチャー、アントレプレナーシップや人財戦略に関心をお持ちの皆さん、広くDXをはじめとする今日の経営環境下におけるブランド戦略経営を考えておられる皆さん、奮ってご参加賜りたくここにご案内申し上げます。

なお今回の大阪第8回フォーラム・公開セミナーは、会場(関西大学梅田キャンパス)開催とオンラインZOOM開催を併用したハイブリッド開催を予定しております。

会場(関西大学 梅田キャンパス)およびオンライン(ZOOM)のいずれかご希望の参加方法をお選びの上、以下の「お申込みはこちら」からお申込みください。

*ご参加の方は2024年7月11日(木)までにお申込みください。

開催日時 2024年7月18日(木)
16:30~受付、17:00 開始
フォーラム・公開セミナー参加費:無料
会場:関西大学 梅田キャンパス 8階ホール & オンライン(ZOOM)
〒530-0014 大阪府大阪市北区鶴野町1-5
https://kandai-merise.jp/access/
懇親会:5,500円
※大阪梅田近郊
(当日受付にてお支払いください。領収書をご用意します)
16:30~受付
17:00 開始
司会:高尾喜一氏
当研究所事務局 情報工房株式会社 執行役員
17:00~17:05
主催者開催挨拶、講師のご紹介(5分)

宮脇 一氏
当研究所理事、事務局次長、情報工房株式会社代表取締役
Profile:1985年よりNTTにて、マスマーケテイング実践後、同社設立のテレマーケティングシンクタンクにて、ダイレクトマーケテイングの研究・普及活動に従事。NTTテレマーケティングを経て、2001年、情報工房(株)設立。専門はCRM。CRM施策を組込んだダイレクトセンター設立は39社。「ニコニコしていない社員の向こうに、にこにこしたお客さまは出来ない」と約180名の社員とともに成熟時代の支援型組織を模索している実務家。

亀井 克之氏
関西大学経済・政治研究所「関西ファミリービジネスのBCMと東アジア戦略研究班」主幹、社会安全学部教教授、日本リスクマネジメント学会理事長
Profile:仏エクス・マルセイユ第3大学DEA(経営学)、大阪市立大学博士(商学) 。近著『決断力にみるリスクマネジメント』(ミネルヴァ書房)、『フランス映画に学ぶリスクマネジメント ―人生の岐路と決断』(ミネルヴァ書房)『第2版 生活リスクマネジメントのデザイン』(法律文化社)、『フランス医療機関におけるアート ―アートとリスク感性』(関西大学出版部)、“Salon, unique champagne”, Gacon et al. Aesthetics of wine, Glenat.
17:05~17:10
開題「『大阪王将の「超える」経営』刊行に寄せて」(5分)

伊藤 佳代氏
当研究所理事、社会保険労務士法人ソーケム代表社員、特定社会保険労務士
Profile:社会保険労務士法人ソーケム代表社員。特定社会保険労務士。立命館大学国際関係学部卒業、関西大学大学院商学研究科博士課程前期課程修了(商学修士)。長崎県立大学非常勤講師など。著書に『インターナルブランディング』(共著、中央経済社)、『地域創生と観光』(共著、千倉書房)など。人材マネジメントのエキスパート。
17:10~17:30
第1講「『超える』経営~イートアンドが生み出し続けるワクワクする未来」(20分)

講師:文野直樹氏
株式会社イートアンドホールディングス 代表取締役会長CEO
Profile:高校1年のときから店長代理として大阪王将の現場で働く。1985年、25歳で父の跡を継ぎ社長に就任。以降、大阪王将を全国チェーンに発展させただけでなく、冷凍食品事業へ参入。食品と外食の両輪を活かしたビジネスモデルで、ヒット商品を創出し続ける食のライフプランニングカンパニーを目指している。
17:30~17:50
第2講「『超える』経営~両輪経営と『+&』のブランド・イノベーション」(20分)

講師:陶山計介氏
当研究所理事長/関西大学経済・政治研究所非常勤研究員/関西大学名誉教授
Profile:一般社団法人ブランド戦略経営研究所理事長、関西大学名誉教授。京都大学博士(経済学)。日本商業学会元会長。専門はブランド・マーケティング論。主著に『マーケティング戦略と需給斉合』(中央経済社)、『インターナルブランディング』(共著、中央経済社)など。日本におけるブランド研究のパイオニアであり第一人者。
17:50~17:55
休憩/セッティング (5分)
17:55~18:55
パネルディスカッション・Q&A (60分)

パネリスト:
文野直樹氏
(株式会社イートアンドホールディングス 代表取締役会長CEO)

永尾俊一氏
(しろはとホールディングス株式会社 代表取締役、兼業農家【FARMER】、会社経営デザイナー、道頓堀商店会副会長、関西大学経済人クラブ会長)
Profile:1985年、関西大学法学部4年生の時、タコヤキハウス「KU/KU/RU道頓堀店」(現「たこ家道頓堀くくる」)を学生兼店長として創業、1987年には「おいもさんのお店らぽっぽ道頓堀店」を創業。2012年農業生産法人(株)しろはとファームを設立、2015年、茨城県なめがた市に少子化による小学校廃校跡地と耕作放棄地で、若手新規就農者育成を目的に、農業体験型テーマパーク「らぽっぽ なめがたファーマーズヴィレッジ」開業。2017年、第56回農林水産祭日本最高栄誉「天皇杯」をなめがたしろはとファームが受賞。2020年、復興庁復興大臣より東日本大震災からの復興に尽力する企業として感謝状を授与される。2022年、しろはとホールディングス株式会社代表取締役に就任。さつまいも素材食品の製造卸販売も行い、冷凍大学いもは全国シェアNO1。6次産業の取り組みを行う。

亀井 克之氏
(関西大学経済・政治研究所「関西ファミリービジネスのBCMと東アジア戦略研究班」主幹、社会安全学部教教授、日本リスクマネジメント学会理事長)
伊藤 佳代氏(当研究所理事、社会保険労務士法人ソーケム代表社員、特定社会保険労務士)
陶山計介氏(当研究所理事長、関西大学経済・政治研究所非常勤研究員、関西大学名誉教授)
コーディネーター:宮脇 一氏(当研究所理事、事務局次長、情報工房株式会社代表取締役)
18:55~19:00
閉会の挨拶
松下 正氏
当研究所理事、事務局次長、古谷国際特許事務所、弁理士
会場:関西大学 梅田キャンパス 8階ホール & オンライン(ZOOM)
〒530-0014 大阪府大阪市北区鶴野町1-5
http://kandai-merise.jp/access/
2024/06/07

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